思い出の腕時計がピッカピカに!
カシオ計算機は、高い防水性能を持つダイビングウォッチ「G-SHOCK FROGMAN(フロッグマン)」の初号機「DW-6300」の部品交換をするレストアサービスを、本日8月29日より開始します。
このレストアサービス開始に伴い、一足先にレストアの様子を見学することができたので、その模様をお伝えします。
30年前の時計のレストア、想像以上にロマンに満ち溢れたサービスでした。
FROGMANってどんな腕時計?
![20230829_38840_01_16x9](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/29/20230829_38840_01_16x9.jpg?w=640)
FROGMANは、G-SHOCKシリーズのなかでも、200m潜水用防水機能を備えたダイバー向けの製品。初号機は1993年発売。今年で30周年になります。
FROGMANはなんといってもデザインがかっこいい! ベゼルがちょっと左に寄っている左右非対称のデザインを採用。そして、裏蓋に刻印されている「潜水カエル」が特徴的です。
僕、別にダイビングとかしませんが、このデザイン好きなんです。かっこいい。
レストアサービスは過去にも実施
このレストアサービスですが、実は過去にも実施されていました。2018年と2021年に、初代G-SHOCK「DW-5000C」や「DW-5600C」など8モデルが対象でした。あの角型デザイン、今でも人気シリーズですよね。
そのときにレストアサービスが人気だったことから、今回のFROGMANのサービスにつながったとのことです。「FROGMANもレストアして!」というユーザーからの要望も多かったそうです。
30年前の製品を再現するのは想像以上に大変
今回のレストアでは、ベゼルとバンドの交換、電池交換、そして防水検査が行なわれます。
G-SHOCKって、長年使っているとベゼルとバンドが加水分解してもろもろって崩れてきちゃったりするんですよ。なので、ここを交換してくれるのはいいですね。
ただ、当時と同じものを作るのは意外とたいへんのようで…。
![230828frogman01](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/230828frogman01.jpg?w=640)
発売当時の部品を3Dスキャンしつつ、当時の図面から3Dデータを作成して寸法を正確に再現。ロゴも当時のフォントデータがないので、忠実に再現するのがたいへんですし、色の再現も塗料の配合率などをいろいろ試しながらやっていきます。
なんせ30年前の製品ですから。当時そのままを再現するのって、難しいんです。
![230828frogman02](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/230828frogman02.jpg?w=640)
過去2回のレストアサービスとは、部品成形の技術も変えています。2018年時はベゼル部分は光成形、2021年時は簡易金型でベゼルを作りました。
ここからメリットデメリットを洗い出し、今回はリバースエンジニアリング+鋼材金型を使い、量産する場合と同じ製法を用いています。
ただし、少量生産では割高になるようなので、今後のレストアサービスをやる場合はどうするかは、また考えるとのこと。いろいろと試行錯誤されているようです。
なぜこのような試行錯誤を繰り返しているかというと、今後の保守サービスに活かすため。思い入れのあるG-SHOCKを末永く使ってもらうためには、今回のようなレストアサービスは不可欠。カシオの方々が、いかにユーザー目線で考えているのかがわかりますね。
なお、今回の防水検査は時計に20気圧をかける気密検査となるため、防水性能に関しては保証されません。よって、ダイビングなどで使うのはNGとのことでした。
ハードには使えませんが、普段使いできるだけでも感謝感謝です。
交換ベゼルとバンドは黒のみ
![230828frogman03](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/230828frogman03.jpg?w=640)
今回のレストアサービス、対象製品はDW-6300-1A、DW-6300-1C、DW-6300-9、DW-6300B-8、DW-6300B-2の5製品ですが、用意されているベゼルとバンドは、DW-6300-1Aの黒を基調としたカラーのみとなっています。
たとえば、黄色が特徴的なDW-6300-9のレストアをお願いした場合でも、黒くなって戻ってきます。それでもいいよって方のみ、お願いしましょう。
レストアは1台1台丁寧に
![20230804--012](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/20230804--012.jpg?w=640)
今回、レストアの様子も見させていただきました。担当の方が、1台1台丁寧に分解し、液晶のくもりがあればそれを清掃し、プッシュピンが曲がっていればまっすぐに直します。
![20230804--015](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/20230804--015.jpg?w=640)
かなり細かい作業ですが、1台につき40分から1時間ほどでレストアは終了。
![20230804--016](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/20230804--016.jpg?w=640)
電池も交換してくれるので、レストア終了後はまるで新品のようです。
![20230804--019](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/20230804--019.jpg?w=640)
なお、古い部品は希望があれば返却してくれます。手元に残しておきたいという方は、レストア注文時に一言添えましょう。
![20230804--020](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/20230804--020.jpg?w=640)
お値段は2万4200円。思い出はプライスレス
このFROGMANレストアサービス、本日8月29日からWebサイト上で受付開始。価格は2万4200円となっています。
レストアにかかる時間は1カ月から3カ月ほど。すぐ手元に戻ってくるという感じではないので、気長に待ちましょう。
![20230804--002](https://media.loom-app.com/gizmodo/dist/images/2023/08/28/20230804--002.jpg?w=640)
カシオさん的には、今後もこのようなサービスを提供していきたいという思いがあるようです。みなさんに末永く使ってほしいという気持ちがビンビン伝わってきますね。
当時と同じデザインや色の再現、効率のよい成形技術の開発などなど、まだまだ試行錯誤が続いているようですが、ぜひとも定期的にこのサービスを提供していただきたいと思います。
僕もいくつかG-SHOCK持ってるんですが、ベルトが加水分解していて使えないものもあるんですよ。レストアの対象になったら、ぜひお願いしたいですね。
Photo: 三浦一紀
Source: カシオ計算機