最も深い場所の魚としてギネス世界記録!
オーストラリアのウエスタンオーストラリア大学と東京海洋大学の研究チームが、伊豆小笠原海溝の海底8,336メートルで泳ぐ深海魚の姿を映像に収めました。これまで撮影された中で一番の深さで、ギネス新記録となりました。
カメラが捉えたこの深海魚、クサウオの一種で「スネイルフィッシュ」と呼ばれています。ちょっと映像でその姿、見てみましょう。
🌊 Scientists from #UWA and Japan have set a new record for the deepest fish ever filmed and caught! 🐟 They discovered a snailfish at a depth of 8,336m in the Izu-Ogasawara Trench and caught two more from 8,022m during a two-month expedition. @minderoohttps://t.co/RjJ7CxD97dpic.twitter.com/kRdYJsI3yU
— UWA (@uwanews) April 3, 2023
捕獲にも成功
この映像は2022年9月に撮影されたのですが、その数日後、研究チームは撮影だけでなく実際にこのスネイルフィッシュの捕獲に成功しています。8,022メートルの位置で捕獲できたそうで、8,000メートル以上の深さで捕獲された初めての魚となります。これまでは2008年に7,703メートルの深さで捕獲されたのが一番深い記録でしたが、それを大幅に上回っています。
映像を見ても分かる通り、スネイルフィッシュには鱗がありません。ヌメヌメっとしていて、また体を浮かせるための浮袋もなく、海底のものすごい圧にも耐えられる体の構造になっているようです。
今回オーストラリアの大学が日本の海底までやってきて研究をしたのは、実は10年にも及ぶ深海魚研究の一環でした。大西洋などの海底は、深く行けば行くほど魚が減るのですが、日本の海底は他の海底とは違ってここまでの超深海でも魚がたくさんいることが特徴なんだそうです。
研究チームのリーダーであるAlan Jamieson教授は「8,336メートルに魚が住んでいることがわかったことも成果ですが、ここまでの深さの海底に魚がいる環境があり、その環境についての情報を得られたこと、そしてこの深さで魚を捕獲した例が今までにないことが大きな収穫となりました」と話しています。