ファンの声に応えた定番SUVが再販決定。「ランクル・ナナマル」とは?

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  • author Yohei Arai
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ファンの声に応えた定番SUVが再販決定。「ランクル・ナナマル」とは?
Image: TOYOTA

8月に発表されたトヨタの「ランドクルーザー70(ランクル・ナナマル)」は、丸目でカクカクした昔ながらの無骨なSUV。どことなくレトロなデザインと道具感あふれる佇まいで、ファッショニスタやアウトドア好きからも注目を集めています。

このナナマル、昨今のSUVブームに乗ったネオクラシックテイストの新型かと思いきや、SNSでは「これぞ真のSUV!」「念願の日本再導入!」とフツーの新車とはちょっと違う反応が集まっています。ナゼでしょう?

ランクルは3系統に分かれ、いまは…

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Image: TOYOTA

実はこのナナマル、「新型」ではないのです。トヨタ曰く、今回発表したのは「リフレッシュしたナナマル」。そう、中身は1984年に発売されたナナマルのままなのです。もちろん時代に併せて、細かい点はアップデートされてはいますが、基本設計は40年間変わっていません

海外では1984年から現在まで継続的に販売していますが、日本国内では2004年で販売終了。誕生30周年を記念して、2014年に1年間だけ期間限定の再販をした後、またまた販売終了。今回9年ぶりに日本再導入となったわけです。しかも今回は限定販売ではなく、通常の継続販売。 そりゃ、SNS上でも盛り上がるわけですね。このデザインはレトロフューチャーではなく、正真正銘の40年前のデザイン。どおりでレトロなわけです。

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Image: TOYOTA

ランクルの歴史は、いまから72年前の1951年までさかのぼります。当時の警察予備隊、いまの自衛隊への納品を目指し開発されたヘビーデューティモデルとして、どんなに困難な天候や路面コンディションであっても「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」をミッションに開発されたモデルです。

試作車の時点で富士山六合目(標高2700m)の到達も成功させるなど、ヘビーデューティモデルとしてのポテンシャルは高かったランクルはその後、「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3つの系譜に分かれ、現代に継承されていきます。もっとも高級で豪華な仕様でランクルの「象徴」として君臨するのが「ステーションワゴン」系。2021年に発売された「ランクル300」が最新型です。ランクルシリーズの中心的存在で、ある意味“実用車”なのが「ライトデューティ」系。日常使いもできて、多少の悪い路面コンディションでも頼りにできるモデル。いままではランクル・プラドという名称でしたが、ナナマルと同じ8月に発表された「ランクル250」がこれの最新型となります。

ランクルの本筋、ナナマルの後継

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Image: TOYOTA

ヘビーデューティの系譜であるランクルらしさを「継承」するナナマル。「これぞ真のSUV!」と話題になるのもわかりますね。2014年の再販を最後に、日本では発売されなかったこともあり、その後も「ずっと売り続けてくれ」とSNSでの声が多く、今回の継続販売につながりました。

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Image: TOYOTA

期待の声も多かったこともさることながら、40年間も同じ基本設計で販売されているということは、それだけ信頼性があるということ。まさにベストセラー、定番アイテムです。定番のファッションアイテムやアウトドアギアのように、長年愛される一台になりそう。

長年、ひとつのアイテムを手入れしながら使い続けたい方にはぴったりの一台。いままでの車との付き合い方が変わりそうな、“四十路の車”。

ちなみにナナマルの発売は2024年春。価格は未定です。400万円前半だというウワサもちらほら聞こえてきますが、いかに!?

Source: TOYOTA