メタバースの方はさておき、広告事業が元気になって業績は戻ってまいりました。
Metaは2023年第1四半期(2023年1月から3月)の決算発表で、デジタル広告の回復により市場予想を上回る売り上げを記録。
Meta社の決算発表のプレスリリースで、マーク・ザッカーバーグは以下のように述べています。
良い4半期で、我々のコミュニティは成長し続けています。我々のAIへの取り組みは、アプリやビジネスに良い結果をもたらしています。長期的なビジョンを実現するために、より良いプロダクトをより素早く開発し、より強いポジションになるためにも、効率化を進めていきます。
Meta社の第1四半期の決算発表の数時間後、株価は11%も上昇。
特に広告事業の売上高が伸び、約1年ぶりの増収となったことが株価上昇につながったと思われます。アナリストやMeta社による業績予想では、276億7000万ドル程度の売上高だろうと見積もっていましたが、実際、総売上高はそれを上回る286億5000万ドル(約3兆8200億円)となりました。
一方、最終的な利益は、57億900万ドル(約7600億円)と23%減少。これは大規模なレイオフによる退職金のコストの増加や、メタバースの開発費用がかさんでいることが背景にあります。
「効率化」の成果が見え始めた
金融アナリストは、「効率化の年」と称したコスト削減施策により、今期のMeta社の業績は良くなるだろうとの予測を立てていました。Meta社の株価が昨年の安値から上昇傾向に上向いているのは、こうしたコスト削減の成果によるものです。
アナリストへのアピール材料というわけではありませんが、大幅な人員削減が効いていて、昨年末には約1万1000人の従業員を解雇。この大規模なレイオフ後、Meta社はこれ以上のレイオフはないといった矢先の2023年3月、ザッカーバーグは1万人の従業員を解雇することに。その最初のレイオフが4月に行なわれ、同社のソーシャルメディアアプリと、Reality Labsチームの約4,000人がレイオフされました。次は5月に行なわれる可能性が高いと見られています。
Metaの人員削減は、従業員をオフィスに戻そうとする動きと同時に行なわれていましたが、Meta社は以前米ギズモードに対して、リモートワークは今も「実施」していると回答しています。
また、Metaは「LLaMA」などいくつかのAIプロジェクトが進行中であることから、今年何らかのユーザー向けAI製品をリリースする可能性があります。
一時は没落を危ぶまれていたMeta社ですが、大規模レイオフ、AI事業へのピボットなど大きな事業判断をしながら、復活の兆候が見えてきましたね。