映像機材としてiPhone 15 Pro Maxを選ぶ。「スマホもカメラも越えた何か」になってしまった

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  • author 山﨑 拓実
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映像機材としてiPhone 15 Pro Maxを選ぶ。「スマホもカメラも越えた何か」になってしまった
Image: Apple

今日9月15日の21時から予約が始まるiPhone 15シリーズの争奪戦。自分はiPhone 15 Pro Max(1TB/ホワイト)を買うことに決めました。

2年間、iPhoneメインで動画製作し続けてみた

自分は「iPhoneographer」として活動しています。学生時代の時から今までの約2年間、iPhoneをメインカメラとして映像製作を行なってきました。

もちろん、Apple純正のカメラアプリではなく、シャッタースピードやISO、フレームレートを細かく設定できるFiLMiC Proというアプリを使用して撮影してきました。

参考までに、自分がiPhoneで撮影、編集したMVなどの映像の総集編を載せておきますね。
Video: Mc/YouTube

一部、Momentの外付けレンズを使用した場面も含まれていますが、基本的には裸のiPhoneのレンズにMomentの67mmフィルターアダプターを使用して、NDフィルターを付け、それでFiLMiC Pro上でLog撮影をしています。

自分が使用している機材をお見せしましょう。

image1
Image: ケンコー・トキナー



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Image: NiSi公式サイト


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Image: Moment公式オンラインストア


Beastgrip Pro(リグ):iPhoneにマイクや三脚を付けるためのリグです。

NiSi 動画撮影用フィルター SWIFT VND キット 67mm(可変NDフィルター):自分が知るかぎりいちばん色を自然に映してくれる製品です。映像内の動作のブレを滑らかに見せるために使用しています。

Momentカメラ用フィルター67mm Filter Mount:可変NDフィルターとiPhoneを合体させるために使います。

で、ぜんぶiPhoneと合体させるとこんな感じ。

image4
Photo: 山﨑拓実

大きなモニターのついたアクションカムとしてiPhoneを使うことはできないか。コンパクトなiPhoneならではの新たな映像表現を模索できないか。それだけでした。

こんな調子で2年間、いかにiPhoneで撮影された映像をシネマカメラのクオリティに近づけることができるか。それを極めようとしてきました。

大変でした。

よっぽどの進化がないなら買わないつもりだった

とか言いつつ、今年は正直iPhoneはスルーかなあと思っていました。

今はiPhone 13 Proをメインカメラとして、iPhone 12 Miniをサブカメラとして使用しているのですが、去年の14 Proはそんなに違いがわからなかったんですね(むしろカメラモジュールのサイズが13 Proより若干大きくなって、今まで使用していたMomentのフィルターアダプターがハマらなくなっていた…)。

15 Proシリーズのカメラセンサーも14 Proと変わらないみたいですし。

iPhone 12が発表された際、Dolby Visionという撮影モードが搭載されて、それ以降のiPhoneでは10bitという今のシネマカメラでは標準の色深度で撮影できるようになりました。これがかなりのブレイクスルーだったんですが、それくらいの進化がなきゃ買わないかなって…思ってました。

「あ、ついに一線を越えたなiPhone」

でも、ふとYouTubeを見ていたらこのMVが流れてきたんです。

Olivia Rodrigo - get him back! (Official Video)
Video: Olivia Rodrigo/YouTube

iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxで撮影されたMVなんですが…ついに時代が僕に追いついた。ついにiPhoneでクライアントワークをしていても白い目で見られない時代が来たなと、確信しました。

見てください、この色調の豊かさ。

背景の部屋の壁も「どうだ、美しいだろう」と言わんばかりにわざとらしくカラフルにしています。カメラの色の表現の豊かさが目に見えて分かります。

また、背景の小道具などの艶感がとても自然で驚きました。

今までのShot on iPhone(iPhoneのカメラ性能を見せるAppleの動画シリーズ)の映像は、いくら元素材の映像が綺麗でもYouTubeにアップされる以上、圧縮されてしまい、映像が汚く見えてしまうことがよくあったのですが、今回はそれがあまり見当たりません。とても自然で、パッと見シネマカメラで撮ったと言われても信じてしまうような仕上がりです。

どうせ外付けレンズとか使って撮影してるんでしょ〜と思いました。飄々とメイキング映像を見たんですよ。そしたら、

何も使ってない…。

ところどころNDフィルターを使ってはいます。日中でモノの動きの「ブレ」を自然に見せるにはNDフィルターが必須ですからね。僕もいつも使ってます。でも、そう、撮影アプリ以外、僕と一緒のセットアップでこのクオリティなんです。

裸のiPhoneのレンズでここまで表現できるのは正直すごいです。しかも、15 Proシリーズは純正のカメラアプリでLog撮影ができる

いやあ、乗るしかない、このビッグウェーブに。僕は心決めました。

iPhone 15 Pro Max(1TB/ホワイトチタニウム)になる理由

15-pro-w-1
Image: Apple

ここで出てくるのがどのモデルを買おうかという問題です。

色は白、ホワイトチタニウム。これは僕が初めてiPhoneを購入したiPhone 5のときから変わりません。白はAppleの色です。

そして容量ですが、僕のiPhone 15 Proシリーズの主な使用目的は撮影。容量はデカいほうがいい。

USB-Cを通してSSDに接続し、容量をあまり気にしなくなくてよくなりましたが、僕は外付けのマイク(Rode Wireless Go IIなど)を仕事でよく使います。それでUSB-Cポートが埋まってしまうんですね。

容量は1TBに決定しました。ProResはモノによっては10秒で約1GBというマンモス級のコーデックもあります。512GBではすぐにお腹にいっぱいに....。

あとはProかPro Max、どちらにするか。これは簡単、Pro Maxです。なぜなら画面が大きいから。

僕はiPhoneで撮影しているというメリットを最大限に活かしたいので、大まかな編集をLumaFusionという編集アプリで行ないます。その際、Proの画面だと微妙に小さいんですね。

撮影する際のモニターとしても画面は大きいほうがいい。

それにPro MaxはバッテリーのもちもProよりいいです。容量のところでも書きましたが、USB-Cポートはマイクで埋まってしまうので、モバイルバッテリーを接続しながらの撮影はあまりないんですね。自分にとってiPhone自体のバッテリーのもちは非常に重要です。

iPhone 15 Pro Max(1TB/ホワイトチタニウム)を購入することに決定しました。

お値段約24万円と決して安くはない買い物ですが、これでカメラ、3つのレンズ、モニター、バッテリー、記録メディア、映像の編集機、そしておまけにスマホの機能がついてくると考えるととても安い買い物だと思います。

iPhone 15 Pro Max、それはもはやスマホの枠を越え、カメラの枠も越えた、新たなガジェットなのかもしれません。

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