こういうケースもあった、ということで…。
ZOZOスーツを使ってオーダーした服が完全なオーバーサイズだったと嘆く米GizmodoのRyan F. Mandelbaum記者。ZOZOスーツを試したことがある人もそうでない人も、服選びが難しいと語る彼の話には共感できるところがあるかもしれません。
昨晩、ベルトを締めようとしたら面倒なことが起きました。ジーンズが腹回りでグッと寄せ集められておかしな状態になったのです。これには、まんまとやられたなぁ...と思ってしまいました。
ピッタリサイズの服がオーダーできるはずでは…
ZOZOスーツの配布がはじまったのは昨夏のこと。モーションキャプチャー用スーツのような見た目ですが、どうやらその目的もほぼ同じようです。ZOZO社によると、スマホのカメラで撮影した写真から独自アルゴリズムで正確な体型サイズを測定。人間の仕立て屋よりも正確に測定できるといいます。アプリを使って"自分サイズ"の洋服がオーダーできるという仕組みになっているのです。
ところがいざ注文した洋服が手元に届くと、なんだか父親の服を着ている子どもみたいな気分になりました。そんな私は、ファッション界の革命だと騒ぐ世間にただ流されてしまったのでしょうか。
このブカブカ感…
最初はちょっと斜に構えつつもアプリを使ってサイズを測定して注文してみたら、届いたのがこれでした。ちなみにシャツとパンツで170ドル。Quartz によれば2週間で届くとのことでしたが、実際には3か月待ってやっと届いた洋服です。そして文字どおりふたを開けてみたら、このブカブカ感。シャツにいたっては、おそらく自分のサイズの2倍以上の方が着てちょうど良いくらいな気がします。質はどうかというと、ぼくにとってはOld Navy（廉価なファッションブランド）で買ったシャツと同じくらいでした。
なにも大袈裟に言うつもりはないのですが、こういうファッション系企業の策略に陥るのってぼくだけじゃないと思っています。サイズだけの話じゃありません。いまや大量生産された衣類はこの世に溢れんほどあります。その多くはモデルが着れば素敵に見えるのか、フォトショでそう見せているのかはわかりませんが、実際に着てみるとどうも自分に合わないことが多いのです。
返品します…
よく｢自分に合う服がない｣とか｢自分のサイズの服が見つからない｣といった人たちの声を聞くことがあります。でも、ファストファッション系ブランドで買った服をわざわざテーラーに持って行ってお直ししてもらう人はそういませんよね。そんなところから自分にフィットしていない服を買い続けるということが起きているわけです。ZOZOがそんなぼくたちの不満に対するソリューションにはなったかというと、そうではありません。もっというと、オンラインで注文するのが好きな消費者たちがうまく彼らに利用されてしまった気すらしています。
現在、ZOZOに対してコメントを要請しているので返事があり次第またアップデートしたいと思います。でもじつは、同じような経験をしているのはぼく1人だけじゃないんです。エコノミスト紙のCharlie Wells氏も記事で似たような感想を紹介しているほか、ツイッターでも落胆の声が見られます。
同社によると、十分なデータが収集できたことから日本では来年3月にZOZOスーツをなくす予定だと発表していて、今後は身長と体重だけで服を注文できるようになるとしています。個人的には、同じ身長と体重でも体型がちがうというケースは多くある気もしていますが...。
今回オーダーしたシャツとズボンは、いずれも返品することにします。
追記
ZOZO USAのマーケティング・ビジネスディベロップメント執行役員Alisa Gould-Simonさんから返信があったので追記します。彼女は、ZOZOスーツを使って注文した服がオーバーサイズだったことへの謝罪とともに、同社ポリシーに則って返品の対応ができることを教えてくれました。
また、計測データは匿名化されていること、第3者に引き渡すことはなく、商品開発とサービス改良のためのみに利用するといいます。なお、ZOZOスーツは日本以外で廃止する予定はいまのところないようです。
